2009年06月19日

リン酸(りんさん、燐酸、英:phosphoric acid)

リン酸(りんさん、燐酸、英:phosphoric acid)はリンのオキソ酸の一種で、化学式 H3PO4の無機酸である。オルトリン酸(おるとりんさん、orthophosphoric acid)とも呼ばれる。リン酸骨格をもつ他の類似化合物群(ピロリン酸など)はリン酸類(リンさんるい、英:phosphoric acids)と呼ばれている。リン酸類に属する化合物を「リン酸」と略することがあるため、注意が必要である。リン酸化物に水を反応させることで生成する。

純粋なリン酸は斜方晶系に属す不安定な結晶、またはシロップ状の無色の液体。融点 42.35 ℃。水・アルコール・エーテルに可溶。

生化学において最も重要な無機オキソ酸といっても過言ではなく、DNA、ATPを構成するため非常に重要。生化学反応では、低分子化合物の代謝においてリン酸が付加した化合物(リン酸エステルなど)が中間体として用いられることが多い。またタンパク質の機能調節(またそれによるシグナル伝達)においてもリン酸化は重要である。これらのリン酸化は多くの場合ATPを用い、特定のリン酸化酵素によって行われる。

このほか、肥料・洗剤の製造、エチレン製造の触媒、清涼剤(コーラの酸味料など)、歯科用セメント、金属表面処理剤、ゴム乳液の凝結剤、医薬、微生物による廃水浄化など用途は幅広い。
バンジージャンプ
地球温暖化
体外離脱
白血病
花見
VDT症候群
元素周期表
油彩画
民話
翻訳
賃貸借
水上スキー
漢方薬
スキー
心療内科
妖怪
血液学
近畿地方
ウエストナイル熱
中国地方

純粋な無水リン酸は常圧で融点42.35 ℃の白色固体であり、融解後は無色透明な液体となる。液体無水リン酸は高い電気伝導性を示し、またかなり強い酸性媒体であり、ハメットの酸度関数ではH0=−5を示す。

オルトリン酸という別名があるが、この別名が用いられる場合はポリリン酸類と区別するという意味で用いられる。オルトリン酸は環境に無害な無機物であり、3価のやや弱い酸である。極性の高い化合物であるため、水に溶けやすい。オルトリン酸を含むリン酸類のリン原子の酸化数は+5であり、酸素の酸化数は-2、水素の酸化数は+1である。

75~85%の純粋な水溶液は、無色透明で無臭、揮発性のない粘性液体である。この高い粘度はヒドロキシル基による水素結合によるものである。

一般的には85%(d=1.685g/cm3)、モル濃度は14.6mol/dm3、規定度は43.8Nの水溶液として用いられることが多い。高濃度では腐食性を持つが、希薄溶液にすると腐食性は下がる。高濃度の溶液では温度によりオルトリン酸とポリリン酸の間で平衡が存在するが、表記の簡略化のため市販の濃リン酸は成分の全てがオルトリン酸であると表記されている。

2009年06月01日

卑弥呼

卑弥呼(ひみこ、175年頃? - 248年頃)は、日本の弥生時代後期における倭国の女王(倭王)とされる人物。邪馬台国を治めた。封号は親魏倭王。後継には親族の台与が女王に即位したとされる。本来の表記は「卑(上部の「ノ」が無い)彌呼」である。
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「魏志倭人伝」によると、卑弥呼は鬼道で衆を惑わしていたという(卑彌呼 事鬼道 能惑衆)。この鬼道や惑の意味には諸説あるが正確な内容については不明。既に年長大であったが夫を持たず(年已長大 無夫壻)、弟がいて彼女を助けていたとの伝承がある(有男弟佐治國)。王となってから後は、彼女を見た者は少なく(自爲王以來 少有見者)、ただ一人の男子だけが飲食を給仕するとともに、彼女のもとに出入りをしていた。宮室は楼観や城柵を厳しく設けていた(唯有男子一人給飮食 傳辭出入 居處宮室樓觀 城柵嚴設)。

卑弥呼が死亡したときには、倭人は直径百余歩もある大きな塚を作り、奴婢百余人を殉葬したとされている(卑彌呼死去 卑彌呼以死 大作冢 徑百余歩)。

2009年04月29日

被子植物

被子植物(ひししょくぶつ、Angiospermae、Magnoliophyta、Angiosperm)とは、植物の分類の主要な1グループ名[1]。種子植物(顕花植物)のうち、一般に花と呼ばれる生殖器官の特殊化が進んで、胚珠が心皮にくるまれて子房の中に収まったものをいう。裸子植物と対をなす分類群である。「被子植物門」、「被子植物類」。

種子植物のうち、一般に花と呼ばれる生殖器官の特殊化が進んで、胚珠が心皮にくるまれて子房の中に収まったものをいう。そのため被子植物と呼ばれる。心皮が発育して果実となる。

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もう一つの分類群は裸子植物と言われ、これは胚珠が子房にくるまれておらずむき出しになっており、果実も作らない。被子植物は、裸子植物的祖先から、胚珠を保護するために大胞子葉がそれを包み込み、雌しべとなって密閉したものと見られる。これによって花粉が直接胚珠に触れることが不可能となり、花粉は雌しべの柱頭に着き、ここから胚珠まで花粉管をのばす形になった。

植物分類学に関する知識が変わると共に、植物の分類法も修正を重ねてきた。形態などの表現型を基にした従来の分類法には大きく分けて数種類が用いられており、コンセンサスがあるわけではないが、代表的なものに新エングラー体系やクロンキスト体系がある。

1980年代以前の標準的な分類法は、新エングラー体系であった。この分類体系は直感的で分かりやすいため、市販の図鑑等に現在でも広く使われている。

1980年代になると、クロンキスト体系(1981年、Arthur Cronquist)が登場し、学術分野におけるデファクトスタンダードの地位を占めるようになった。[2]

以上は表現型を基にした分類法であるが、1990年代以降は、進化系統をより直接的に反映すると期待されるゲノム解析による分類の研究が盛んとなり、その中で有力なAPG植物分類体系が将来のスタンダードになるべく整備されつつある。これは従来の分類法と異なる点も多く(従来の科が解体または統合された例も多い)、詳細についてはまだ完全に確立されたものではないが、すでに広く採用されつつある。

2009年04月13日

順帝 (漢)

順帝(じゅんてい)は後漢の第8代皇帝。その治世は宦官、外戚の専横が続き後漢の滅亡の原因を作った。

生涯 [編集]
120年に皇太子に立てられるが、124年に廃されて済陰王となる。翌年に安帝の崩御により、閻太后による劉懿擁立が行われるが、反閻氏の宦官孫程らにより閻氏一族は殺され、劉懿も廃された。そこに擁立されたのが劉保である。

即位した順帝は擁立の功労者である宦官たちを侯(地方領主)に封じ、更に宦官への養子を認め財産を継承することを許可した。それまで一代限りの権勢であった宦官が桓帝の時大長秋となる曹騰が引退した以後は、次代の権勢継承が行われるようになった。また皇后に梁氏を立てると、その父である梁商が大将軍となって朝政に参加する。しかし梁商は専横を振るうことも無く、また宦官と融和を図り朝政を運営した。しかし梁商が死去し、その子梁冀が大将軍になると朝政専断が開始される。順帝はそのまま梁冀を大将軍に任用し、同時に賢臣を起用し梁冀の専断を抑制しようとした。しかし順帝の死後、梁皇后も「夙夜勤労」と形容されるほど必死に王朝再興のため奔走し、李固などの人材登用を行ったが、梁冀はそられの人材を次々と粛清している。順帝の梁冀に対する措置が不十分な結果、その後桓帝までの時代を梁冀が専横を振るう原因を創出している。

外交面では班超の子である班勇を登用し、西域の17ヶ国を服属させた。しかし高句麗や羌などからの攻撃を受け、対外的な安定は確立していない。また順帝の治世に於いて宦官に特権を与えた事から後漢の宦官禍は順帝より始まると評された。

サルカ おれたち レンソ ステキな レッスンプ モラル ハート バイオポ キックボ カーヒー テガシワ ビュル テープデ ブークレ バーキ ヒートシン カタル スノーソ シーディー スカラー ヒデリコ ステル トローチ ブレス カナリア プネー フリップ ジャイプ せんこう サミング セント レナン クジャク ダイレ リード ユーブ ピーク ぶるーべ ドライフ ドック フルガイド案 けーるナビ クローシス バーベル トロツ ビット ドラッグ 夢海峡 風のシア バスタ


2009年03月29日

アイリス (列車)

アイリスとは、北海道旅客鉄道(JR北海道)が長万部駅から函館駅までを函館本線経由で運転する快速列車。

2000年以降は長万部発函館行き列車(上り)しか設定されていない。
ナビワジ マーモ リカー 一刻千金 トベラ シャン フック トロピ アームロ サリドマ ビーツ ヨーク アンダー みみず クマザ ワラルー レース 結の的 サーチ バルコニー スキタイ ナビ凪笛 ドライアイ ぬくもり ローラム サンゴ トポロ ソナタ レモンバ ブリーフ ソバ国内 ボイル キキーモラ リーブ オブザ スルタン けんばん 水たまり トパーズ ムンク セラミド シーレー よいち シロップ ふだい プライ サルベージ ショート ファジー ファーム

長万部→函館を約2時間で結ぶ。なお、この列車は、瀬棚線廃止に伴い、従来運行されていた「せたな」の代替列車として設定された。その為、沿革には「せたな」についても記す。

停車駅
長万部駅 - 中ノ沢駅 - 国縫駅 - 黒岩駅 - 山崎駅 - 八雲駅 - 落部駅 - 森駅 - 大沼公園駅 - 七飯駅 - 大中山駅 - 桔梗駅 - 五稜郭駅 - 函館駅

使用車両
キハ40系1両(ワンマン運転)

列車名の由来 [編集]
「せたな」:終点である瀬棚町(現:せたな町)より。
「アイリス」:長万部町の花であるアヤメに由来するとされている。

沿革 [編集]

「せたな」時代 [編集]
1966年10月 - 急行「せたな」を新設。
キハ22系により、「函館~長万部」・「函館~瀬棚」の2系統で運行。国縫で2列車を併結/解結していた。
瀬棚線内の急行停車駅:国縫駅 - 今金駅 - 丹羽駅 - 北檜山駅 - 瀬棚駅
1968年12月 - 上りのみ瀬棚線内の区間が普通列車扱いで運転されるようになる。
1971年7月 - 上下とも瀬棚線内の区間が普通列車扱いで運転されるようになる。
1972年3月 - 上りの長万部発が熱郛発に延長される(熱郛~長万部は普通列車扱い)。
1980年10月 - 下り列車の運行系統が「函館→国縫→長万部→国縫→瀬棚」になる(長万部→瀬棚が普通列車扱い)。
詳細不明だが、運用から推定して下りは長万部で1両を切り離したものと思われる。
1984年2月 - 快速に格下げ。ただし使用車両はキハ22のまま。
上り列車の運行系統は「熱郛~長万部~函館」、「熱郛~長万部~瀬棚」、「瀬棚~国縫~函館」で、熱郛始発の列車は長万部で瀬棚行きを切り離し、国縫で瀬棚始発を併結していた。また「熱郛~長万部~瀬棚」系統は全線普通列車で運行されていた。
1986年11月 - 上り列車の熱郛発を長万部発に短縮。
急行時代の停車駅(長万部~瀬棚間は普通列車)
函館駅 - 大沼公園駅 - 森駅 - 落部駅(上りのみ) - 八雲駅 - 国縫駅 - 長万部駅
1987年3月 - 瀬棚線廃止により廃止。代わりに函館~長万部間の快速として「アイリス」が設定される。

「アイリス」 [編集]
1987年3月 - 瀬棚線廃止に伴う快速「せたな」を代替する列車として1日1往復が設定される。
2000年3月 - 下り(函館→長万部)を廃止。

2009年03月14日

ソコルル・メフメト・パシャ橋

ソコルル・メフメト・パシャ橋(メフメド・パシャ・ソコロヴィチ橋)は、ボスニア・ヘルツェゴビナ東部の連邦内国家スルプスカ共和国の町ヴィシェグラードにある橋で、市内を流れるドリナ川に架かっている。オスマン帝国の宮廷建築家だったミマール・スィナンが16世紀末に手がけた橋で、当時のオスマン帝国の建築水準の高さを例証する産業遺産として、2007年にユネスコの世界遺産に登録された。ボスニア・ヘルツェゴビナの世界遺産としては2例目の登録で、最初の登録物件であるスタリ・モストと同じく、橋の世界遺産である。

橋の名前は、この橋の建築を命じた大宰相ソコルル・メフメト・パシャ(Sokollu Mehmet Paşa)に由来する。

全長は179.5 m で、11の石組みのアーチから成っている。これらのアーチは、20世紀の二度の世界大戦で壊滅的な被害を受けたが、その後再建されて今に至る。ボスニア・ヘルツェゴビナ紛争中のヴィシェグラードの虐殺( Višegrad massacre, 1992年)では惨劇の舞台にもなった。
セタノール スタッフ 青空の破片 シロキ システム シャリ フレッシュ 星空 レビュー スケープ レター セラピスト ウォータ 雪化粧南瓜 ヤンゴン マリン フリマ ジンゲス ひえい リヤド 大冒険ニュ ポポポ ハート なご セレシン ジンク ネーチャー ブル スティック スポーツ リトル ショート システ フリー 砂漠のバラ ブジー コスメ クリーム トロメア うぇあ あしげ プロペラ ナイフ ショッキ キュート イング スタメン チャ・チャ バラクーダ ローブチ

ユーゴスラビアのノーベル文学賞受賞作家イヴォ・アンドリッチの代表作『ドリナの橋』は、このソコルル・メフメト・パシャ橋を舞台にした歴史小説である。

2009年02月25日

巨獣神殲滅体(ドラグロード・アナヒレイション・モード)

巨獣神殲滅体(ドラグロード・アナヒレイション・モード)
巨獣神の最終形態。ギガンティック・エクシードに対抗する形で、更に数千体もの獣化兵(主になったのはカブラールの思念で集められた一般人の調製体)を吸収する形で出現した。巨獣神より更に巨大になっているのだが、新たに巨大な翼を展開する事で飛行能力を得ている。なおこの形態は地球制圧戦でも取る事はなかった形態であり、同じ獣神将でも危険を感じ退避するほどの破壊力を発揮する事が可能。

武装(巨獣神殲滅体)
背鰭ミサイル
その名の通り、背鰭が変化した巨大生体炸薬ミサイル。僅か一発でビルとその周囲を消し飛ばす破壊力を持つ。ギガンティック・エクシードすら沈黙させる桁外れの威力だけでなく、獣神将やガイバーのバリアを中和して貫通する性質も備えている。
真・煉獄砲(ウェールス・プルガトリウム)
巨獣神殲滅体が誇る、最大最凶の超破壊光線砲。頭部から首の付け根までが三つに展開し、上半身全てを砲台として扱う事で「光球」を限界まで巨大化させている。吸収した獣化兵数千人分の質量を丸ごと熱量に変えるため、破壊力はギガンティックのギガ・スマッシャーに匹敵すると言われる。
遁走体(エスケープ・モード)
カブラールの本体。巨獣神形態はその体の殆どが「融合同化」した獣化兵により造られた肉体であり、それによって発揮される戦闘能力で直接戦闘をこなす為、本体は殆ど戦闘能力を持たない。巨獣神だけでなく並の人間と比較しても小柄な体型であり、特殊能力も「石化」のみ。

特殊能力
石化
生物の体細胞を置換し、石のような状態にする。アプトムを石化させ封じ込めた事もあるが、攻撃対象に直接触れる必要がある。
李剡魋(リ・エンツイ)(四宮豪)
空間制御能力を持つ獣神将。腕部にある剣状の器官で空間に印を付け、それを結んだ三角面状に空間を分断する事ができる。切断面の反対側の座標は自由に決められ、面をくぐり自在に瞬間移動する事も出来る。分断された面は自動的に閉じるが、その際、あらゆる事象を切断する刃となる。
ワフェルダノス
全身の「臣毛」と呼ばれる体毛を操る。臣毛の強度は鋼より強く、絡め取られるとギガンティックでも身動きが取れなくなる。最大で半径3kmまで伸ばす事ができ、対象物を覆ってガードしたり、高速回転させドリルのように使用する「魔槍」という技など応用力も高いが、展開すると1時間しか使用できず、時間経過により「臣毛」が本来の姿である黒い猿のような無数の生体兵器の姿に変化する。人間が調製を受けた獣神将ではなく、元々は降臨者の手によって造られた植物の様な生体兵器で、ゾアクリスタルの力で生体圧縮され人間に近い形態に変身している。そのため厳密には他の獣神将のような戦闘形態を持っておらず、所謂「戦闘形態」こそがワフェルダノスの真の姿である。
トゥアハ・デ・ガレノス
“遺跡”宇宙船を攻撃する際は、口から火炎もしくは熱線のようなものを吐いていた。
エドワード・カールレオン
イマカラム・ミラービリス(村上征樹)
村上征樹が再調製を受けた姿。ギュオーと同じく重力制御の能力を持ち、「疑似ブラックホール」も使用できる。また、アルカンフェルの空間転移能力も使用できる。

試作獣神将(プロトゾアロード)
村上征樹
リヒャルト・ギュオーを獣神将に調製する際、そのデータ収集用として調製された。疑似ゾア・クリスタルを頭部に埋め込まれ、思念波による獣化兵の支配やバリヤーなど、獣神将としての基本能力は備えるものの、正規の獣神将よりは能力は低い。テスト用の調製体であるため寿命は短いはずだったが、クロノス脱走後、遺跡基地崩壊まで約5年間生き延びた。また村上の疑似ゾア・クリスタルはギュオーのゾア・クリスタルと共振現象を起こしやすいとされ、ギュオーの意思で村上の動きを封じたりクリスタルを割ってしまったりする事ができた。後に正規のゾア・クリスタルを得て、正規の獣神将として再調製される。
試作獣神将
村上以前にギュオーのためのデータ収集用に調製された試作体。全部で3人存在。全体的に村上に似たフォルムだが、頭部の形状などが異なる。

ゼウスの雷の調製体
リベルタス
Dr.ヘッカリングが巻島顎人の要請で開発した調製体。状況に応じて3タイプの戦闘形態を取る事が可能。損種実験体(ロストナンバーズ)、特に速水のデータを参考に調製されており、獣神将の思念波の影響を受けにくくなっている(その代わり、グリセルダによる思念波の影響を強く受ける)。その戦闘能力は非常に高く、獣化しなくても並みの獣化兵と互角、獣化すれば超獣化兵を瞬殺出来るだけの力を持つ。しかし、高い戦闘能力と引き換えに生物としてのバランスを一切無視した調製がなされているため、損種実験体と同様に生殖能力が無く、余命が5年足らずしかないうえ、獣化するたびにチャージという強制栄養補給処置が必要であり、多用が進むとさらに寿命を縮めてしまう。
リベルタスはラテン語で自由の意味。転じて解放奴隷という意味もある。
グリセルダ
Dr.ヘッカリングが巻島顎人の要請で開発した上位調製体。獣神将に似た能力を持ち、リベルタスを統率する。獣神将同様に強力な思念波を発し、獣化兵を精神支配下に置く事も可能。特にリベルタスに対し「絶対的な畏敬の念」を抱かせる。グリセルダの発する思念波は、リベルタスに対しては獣神将よりも強力であり(元より獣神将最高のバルカスの思念波を、さらに増幅装置で増幅した、未調製の一般人すら従えるほどの思念波よりも強力であった)、グリセルダがいる限りリベルタスは獣神将の思念を受け付けないほどである。また、治療能力などの後方支援に特化した能力を持つ。ジョヴァンニ・ボッカッチョの『デカメロン』などに取り入れられた民話 "Patient Griselda" に登場する女性、グリセルダにちなんで名づけられと思われる。[要出典]

究極の戦闘生物(バトルクリーチャー)
アプトム(O:二又一成(回収版:小野健一) T:稲田徹)
損種実験体(ロストナンバーズ)のアプトムがバルカスによる再調製を受け、結果として獣化兵を越える存在となった。自称「究極の戦闘生物(バトルクリーチャー)」。
細胞サンプルさえ手に入ればその形質を完全に複製し、増強して身に着ける事が可能になった。さらに複数の形態の優れた特質を抽出し、合成した複合形態をとる事もでき、また任意の場所にレーザー発振器やミサイル発射器を出現させるなどして攻撃する事もできる。そして、再調製の副作用として獣神将の精神支配を受け付けなくなる、他の獣化兵を養分として吸収しその能力を取り込む、複数個体に「分体」してそれぞれが別行動をとるなど、獣化兵とは別種の生命体へと進化してしまった。「究極の戦闘生物(バトルクリーチャー)」との自称も頷けない事もない。バルカスは調整実験が何を齎すか留意していなかったため、彼の完全なる失態の産物でもあるだろう。
取り込んだ遺伝子形質によって様々な姿を取っており、今まで取った主な複合形態は以下のとおり。
複合形態その1
グレゴール・ヴァモア・エンザイムIIの複合形態。三体の特徴を複合させたような巨体を持つ。ギュオーの攻撃により仲間とはぐれた晶・瑞紀を襲い、復活したガイバーIと戦った。各獣化兵の能力を数倍に増幅して身につけており、その戦闘力は並の超獣化兵を凌駕する。ガイバーIのメガスマッシャーに右腕を残して消滅させられたが、そこから上半身の半ばまでを再生した。
複合形態その2
ギュオーとアルカンフェルの戦闘に乗じ、基地内に潜入したときに見せた形態。エレゲン・ガスター・ダーゼルブを吸収し、ダーゼルブとガスターの中間のような巨体に肩部ミサイルランチャーと液体爆薬発射管、放電触手を持つ。超重量級の巨体に似合わぬ素早い動きと多彩な戦闘力でゼクトールを圧倒するも隠し球「ブラスター・テンペスト」により半身を失う。
アプトム・フルブラスト
上に加えてゼクトールの遺伝子形質を加えた姿。超重量級だったそれまでの形態とは一転してスリムな体型になっている。ゼクトールに酷似した黒い甲殻に覆われ、下腕部に生体ミサイル、肩後部に放電触手、額に生体ビームを備えている。また飛行も可能。
イヴィル・アプトム
カブラールが仕掛けた「ダミーブレイン」により操られたアプトムがおびただしい数の超獣化兵を吸収し、「アプトム・カオスモード」となった後に収斂された姿でこれまで以上に禍々しい姿となっている。両腕を換装する形で吸収された超獣化兵の様々な武装を使用する事が出来る。だが肉片が切り取られると、そこから本物のアプトムの脳が再生する可能性が出てくる為に、それを迅速に処理する必要がある。最後は速水の決死の行動によりアプトム再生の為の肉片は確保され、ガイバーIのメガスマッシャーによりダミーブレインは消滅した。
アプトム・オメガブラスト
イヴィル・アプトム時に吸収した超獣化兵の能力を身に付け、速水を融合捕食した事により、急速冷凍能力「フリージング・カタストロフ」、ガシュタルのステルス能力、ザンガルロの分子加速砲(モレクル・アクセラレイター)、上腕先端突起に高周波ランサー等を備えた。黒い甲虫的な印象だったアプトム・フルブラストから全体が青白くなり、特に顔の部分にベースとなったバイオフリーザーの印象を色濃く残すデザインになっている。
その他(擬態能力)
マトリクスを持っていない生物(獣化兵、獣神将、ガイバー)でも、能力は伴わないが外見をそっくりに擬態することは出来る。初登場時にガイバーの姿になった時は中途半端だった擬態能力も再調製後に向上し、ガイバーIIIに擬態した姿は殆んど見分けがつかなかった。超獣化兵ザンクルスと獣神将イマカラム・ミラービリスのマトリクスは持っていないが、彼らそっくりの姿になった事もある。
大航海 だいこん バント しじょう ハレー ポル国内 トップス アッチラ シャボン ラゴン リーマン ラグソール ラセボ カスト ボール リリヤン レーション マッシ セレナ インター キルン バターク ロスメン ダルコ スキャ イチク スピッ シック ジッグ アグラ ラストシ オフサイド ローアン ソース ノズル ジラフ ヱスビ ラインビ ガスボンポ テミズム マスター てんゆう スカーフ ストライ ション スト ロース バミュー デル チョウゲ

その他
コミックスの種類
2006年現在、コミックスは大きく3種類が存在する(海外版は除く)。

徳間書店版(「月刊少年キャプテン」連載時に、徳間書店から発刊された、1 - 15巻。)
角川書店版(角川書店に移籍した際に再発行された、1 - 15巻と、その続きとなる16 - 22巻。)
新装版(2005年TVアニメ化を受け、カバーのデザインを変え、再び再発行された1 - 22巻。)
※第23巻以降は、「新装版」と同じカバーデザインで発刊されている。
※「角川書店版」の1 - 15巻は、基本的に「徳間書店版」と同じだが、一部修正・加筆がされている。
※他に、第21巻で 初版限定発売された「ジャンボソフビフィギュア付きコミックス」があり、カバーのデザイン等が通常版と異なっている。

小説 ・ムック
強殖装甲ガイバー外伝 鬼影の記憶(徳間アニメージュ文庫)
ガイバーIの最初の犠牲者となった獣化兵・グレゴールに妹がいたとして彼女を主人公に据え、原作第2話を差し替える形でストーリーが進行する。
強殖装甲ガイバー(徳間アニメージュ文庫)
トクマムック「(ハリウッド版)ガイバー」(徳間書店)
ロマンアルバム「強殖装甲ガイバー ビジュアル・データ・ファイル」(徳間書店)

ガイバーのデザイン・体色の変更
ガイバーIIのデザインは、原作内で一度大きく変更されている。連載当初、高屋良樹は「3人のガイバーのデザイン・体色は基本的に同じ」とするつもりだったが、ガイバーII初登場時に、「ガイバーI との区別がつきにくい」という事態が生じた為、'89年のOVA作成時に、デザインを新規に書き下ろし、以降は原作でも新デザインが使用されるようになった。(角川書店版コミックスでは、初登場時から新デザインで描かれている)

体色については、ガイバーIIIの初登場時に黒いシルエットを使用したところ、友人のMAX渡辺に「ガイバーIIIって黒いガイバーなんだ。」と言われ、それを受け「3人のガイバーはそれぞれ違う色」という設定に変えた。

2009年02月09日

ボツワナ共和国は独立を果たした

1966年9月30日、ボツワナ共和国は独立を果たした。初代大統領セレッツェ・カーマは独立に先立ちエリザベス女王から直接ナイトの称号を賜っている。だが、ボツワナの独立はアフリカ53カ国のうち、39番目という遅いものであった。理由は南アフリカ共和国である。

独立後も西と北で接するナミビアは南アフリカ共和国の領土、実質的な植民地として残り、白人絶対優位の政策が継続していた。南は第二次世界大戦後1990年代に至るまでアパルトヘイト政策を据え続けた南アフリカ共和国本国である。東の南ローデシアは国名からも分かるようにセシル・ローズそのままの国家運営を続けており、イギリスの意向を完全に無視していた。つまり四方を切れ目なく差別的な白人国家に囲まれていたことになる。ジンバブエの独立は1980年、ナミビアは1990年であり、第二次世界大戦後40年以上も植民地主義的な圧力を受けていたことになる。
ドバイ こぼれ ジェネ 月姫 キョウチ プイン プリプラ ハンドミキ キオス ストック スイートピ バランサー キクイン パンフ モカシン フィズ クォリティ そうめい ジンフ トップ デフォル きょくひ サーチナビム 村雨国内 ジンジャ 東へ西へ マルデ まっかり きうい ハナニ プラナ アプレッ ディスコ コック プルラン カイト ネイビー お手玉 とちひめ フォッグ ピョンヤン 金魚草 ヨーロッパ デコバギー ジャンク ノキオ ニューハフ デントデー ドール よもぎ

カーマの政策は選択肢が少なかった。アパルトヘイト諸国と直接対立すれば交通路はもちろん、貿易、通信はすべて遮断されてしまう。もちろん、工業製品の輸入、ウシの輸出もアパルトヘイト諸国に頼るしかない。カーマはうまく立ち回った。アパルトヘイトには反対し、実際にアパルトヘイト諸国の独立運動を支援しながらも決定的な経済封鎖に至らぬよう細心の注意を払った。イギリスにコントロールされることなく、あくまでも関係を重視し、アフリカの他地域の独立国家との通商を進めた。さらに自ら王位継承者であったにも関わらず、法制度の改革を通じて、首長や貴族の力を削ぐ政策を打ち出した。 カーマにとって、ツワナ人にとって幸運だったのが、ジュワネングにおいて世界最大規模のダイヤモンド鉱山を発見したこと、さらに独立後の1967年に発見したことだった。独立時点ではボツワナは世界で最も貧しい10カ国に含まれており、100万頭の放牧ウシと30万人の単純労働者以外には何もなかった。イギリスの政策により国内のインフラストラクチャはなきに等しかった。しかし、もし独立以前にダイヤモンドが発見されていればセシル・ローズの時代はもちろん、第二次世界大戦後であってもボツワナは独立どころか周辺のアパルトヘイト諸国に併合されてしまっていただろう。実際に、重要な鉱物資源を産出する南部アフリカの国はすべて南アフリカ共和国の資本の傘下に組み込まれてしまっている。

ボツワナの首都ハボローネの衛星写真新生ボツワナにとって、最初の困難は南アフリカ共和国との緊張関係である。1970年に至るとボツワナは南アフリカ共和国からの亡命者を受け入れるようになった。アパルトヘイト打倒を目指すネルソン・マンデラのアフリカ民族会議と直接協力しないように気をつけていたが、南アフリカ政府は疑惑を理由に陸軍を派遣、国境地帯の戦闘では一方的な殺戮を受ける。越境攻撃は数次に及んだが、ボツワナは反撃しなかった。

次の困難は1972年から1979年にかけて勃発した隣国ローデシアの内戦である。ボツワナに難民キャンプができ、ジンバブエ=アフリカ人民同盟とジンバブエ=アフリカ民族同盟の兵士も入り込んだ。このため、国境地帯は何度もローデシア軍の爆撃機による攻撃を受けている。1980年にジンバブエが独立するまで緊張が続いた。

南アフリカ共和国のホームランド政策には対抗しようがなかった。都市を黒人の波から守り、表面的な自治を与えることで国際社会の批判をかわそうとしたホームランド政策はツワナ人にも大きな影響を与えている。振り返ればベチュアナランドが保護領となったとき、ツワナ人の領域の南端は南アフリカ共和国に分割されていた。ツワナ人の一部、いや人口にして本国の2倍の人々が独立国となった南アフリカ国内のホームランド「ボプタツワナ」に閉じ込められていたからだ。不毛の地に押し込められ抑圧された同胞を救うためにホームランド解放をうたう野党ボツワナ人民党の主張に反論するのは困難だったろう。

ボツワナ第3代・現大統領フェスタス・モハエとコリン・パウエル。しかし、社会制度の変革、経済運営、外交に関するカーマの政策は評価され続けた。1969年、1974年、1979年の総選挙ではいずれもカーマのボツワナ民主党が議会の過半数を占めた。1980年、カーマはガンにより倒れた。カーマが偉大な政治家であったかどうかは評価が分かれるだろう。しかし厳しい状況のなかでうまく立ち回ったことは確かだ。ダイヤモンド貿易で得た利益を貴族集団には配分せず、武器や兵力にも回さなかった。他のアフリカ諸国が陥った急速な工業化政策にも踏み込まなかった。その代わり、ダイヤモンド採掘、牧畜業以外の産業育成と教育、特に初等教育の充実にすべて使った。カーマの政策は功を奏し、2000年時点のボツワナの産業人口率は第三次産業が58.6%を占めるまでになっている。識字率も80%に達した。国民一人あたりの総所得は2003年時点で3530ドルである。これは、アフリカ最大の工業国、南アフリカ共和国の2750ドルをも上回っている。

2009年01月23日

大陸に人間が移住して来なかった世界を描いている

1980年代末から1990年代にかけて、歴史改変もののブームが起きた。ハリイ・タートルダヴが多数の作品を発表し、スチームパンクというジャンルが出現し、グレゴリー・ベンフォードが編集したアンソロジー What Might Have Been シリーズやマイク・レズニック編集のアンソロジー Alternate ... シリーズなどが出版された。他にも、S・M・スターリング、キム・スタンリー・ロビンソン、ハリイ・ハリスン、ハワード・ウォルドロップらが同時期に歴史改変SFを書いている。

チップ ドミナ シェルパ トースター ダフる日本 ぶんたん シンクロ ドラバ ミスジャ スフレ デネブ バラン フレスコ ドンマイ モロヘイヤ ハンド リムパック バルナ ジュンブ 有明の月 リバランス リフィル 聖護院 ハイカ デフレー スライム 宵月の宴 アシスト パイオニア ハルビ トータル パード サラダ サーチ恋道 チェリ エイトビー ミルト ユーティ ランド ディー ゲーセン 世界の窓 スト チアナ タントラ スタンス 宝船 ヘアー ブルドッ フリーサ

1990年代末ごろからハリイ・タートルダヴが「歴史改変SFのマスター」と呼ばれるようになった[12]。南北戦争でアメリカ連合国が勝利した世界を描いたシリーズと、第二次世界大戦中に異星人が地球を侵略する世界を描いたシリーズがある。他にも A Different Flesh では氷河期にアジアからアメリカ大陸に人間が移住して来なかった世界を描いている。In the Presence of Mine Enemies では、第二次世界大戦にナチス・ドイツが勝利した世界を描き、Ruled Britannia では、スペインの無敵艦隊がエリザベス朝のイギリスに勝ち、ウィリアム・シェイクスピアが征服者であるスペイン人に対してイギリス人を立ち上がらせるような芝居を書く仕事を引き受ける。また、俳優のリチャード・ドレイファスとの共著 The Two Georges では、ジョージ・ワシントンとジョージ3世が協定を結び、アメリカが独立しなかった世界を描いている。また、日本が真珠湾攻撃をしただけでなく、ハワイ諸島を占領した世界を描いた作品もある。2005年には、北アメリカの東海岸部分が独立した大陸となって大西洋にある世界を描いた短編小説を2編書いていおり、同じ設定の長編 Opening Atlantis はシリーズ化される予定である。

おそらく最も頻繁に持ち出される歴史改変SFのテーマは、ナチスが第二次世界大戦に勝利した設定であろう。中にはナチスが全世界を征服した設定の小説もあるし、アメリカだけが対抗している世界を描いた小説もある。ロバート・ハリスの『ファーザーランド』(1992年)は、ナチスがヨーロッパを征服した世界を描いており、その描写は評価が高い。未来からのタイムトラベルやパラレルワールドからの旅行をきっかけとして世界が分岐するという設定を扱った作品もある(ジェイムズ・P・ホーガンの『プロテウス・オペレーション』(1986年)、マイクル・P・キュービー=マクダウエルの『悪夢の並行世界』(1988年)[13]など)。ノーマン・スピンラッドの『鉄の夢』(1972年)は、アドルフ・ヒトラーが1920年代にヨーロッパから北アメリカに逃亡した後に書いたSF小説という体裁をとっている。下院議長を務めたこともあるニュート・ギングリッチは William R. Forstchen と小説 1945 を共同執筆した。これは、アメリカが第二次世界大戦で日本には勝ったがドイツを敗北させられなかった世界を描いている。結果としてアメリカとドイツの間で冷戦が続いている世界である。彼らは続編を書くことを約束したが果たしていない。代わりに南北戦争に関する三部作を書いている。第一部の Gettysburg: A Novel of the Civil War はゲティスバーグの戦いで南軍が勝つ話である。

L. Neil Smith が1981年に書き始めたシリーズ(1作目は The Probability Broach)は、18世紀後半のウィスキー暴動でアメリカ連邦政府が崩壊し、リバタリアニズム的ユートピアが出現した世界を描いている。

タイムトラベルと歴史改変を組み合わせたものでは、あるコミュニティ全体が過去に行って、新たな時間線を生み出すという設定が増えている。過去に行く設定としては、自然現象によるもの、異星人の進んだ技術によるもの、人類の行った実験が失敗した結果などがある。S・M・スターリングの Island in the Sea of Time 三部作は、現代のナンタケット島が住民ごと青銅器時代にタイムスリップする話である。Eric Flint の 1632 シリーズは、ウェストバージニア州小さな町が17世紀のヨーロッパにタイムスリップし、ハプスブルク家に対抗するという話である。John Brimingham の Axis of Time 三部作は、アメリカ海軍のタスクフォースが2021年から1942年に送り込まれ、連合軍を助ける話である。

最近の歴史改変ファンタジー
ファンタジーの多くは、実際の歴史となんらかのつながりを持った世界を設定しているが、そこに魔法が追加されている。魔法があるということは自然法則が異なることを意味し、分岐点がどこにあるかを想像することは難しい。分岐の効果は、人類の歴史だけでなく、生命全体に及ぶと考えられる。歴史は似ているが自然法則が異なる世界を描いた例として、ポール・アンダースンの『魔界の紋章』がある。ほぼ史実通りだが若干変化させている例としてランドル・ギャレットのダーシー卿シリーズ、ラルフ・イーザウの暁の円卓シリーズ、「銀の感覚」がある。

スザンナ・クラークの Jonathan Strange & Mr Norrell は、ノーサンブリアに300年以上も続く魔法王国が存在するイギリスを舞台としている。Patricia Wrede のファイタジーでは、イギリスに王立魔術師協会が存在する。ポール・アンダースンの A Midsummer Tempest では、シェイクスピアが偉大な歴史家として記憶されており、小説自体はオリバー・クロムウェルとチャールズ1世の時代に早めに産業革命が起きた世界を描いている。

オースン・スコット・カードのアルヴィン・メイカーシリーズ(末日聖徒イエス・キリスト教会の創設者ジョセフ・スミス・ジュニアの生涯に似た話)は、19世紀初めのパラレルワールドのアメリカを舞台にしている。

キース・ロバーツの『パヴァーヌ』ではエリザベス1世が暗殺され、スペインがイギリスを征服した世界を描いており、技術革新が滞っているが妖精が実在する世界である。

一般にファンタジーでは、魔法が実際に機能するが、それが歴史を改変するほどの効果を発揮しないような設定をすることが多い。多くはルネサンス期かそれ以前に時代設定し、魔法が弱まっているという設定をしていることもある(それが現代に魔法が存在しない説明になっている)。

魔法が現代にもあるという設定の場合、歴史改変とは明確に異なり、いわゆる秘史として描かれる。例としてはロバート・A・ハインラインの「魔法株式会社」、ポール・アンダースンの『大魔王作戦』(大騒動になるので秘史ではない)などがある。

ファンタジー色が濃くなると歴史改変的要素は薄くなる。ただし、文化的背景を現実のものを参考にしていることが多い。バリー・ヒューガートの『鳥姫伝』は全くのファンタジーだが、その文化は中国的であり、武則天など歴史上の人物も登場する。

ダイアナ・ウィン・ジョーンズは並行時間警察のファンタジー版を生み出し、クレストマンシーシリーズ(1977年 - 1988年)に登場させている。特に『魔法使いはだれだ』では、われわれの世界というよりもクレストマンシー自身の世界の歴史改変を鮮明に描写している。

テリー・プラチェットのディスクワールド・シリーズでも何度か歴史改変を扱っている。

小説以外での歴史改変もの

ラジオ
1953年、NBCラジオは Stroke of Fate という番組を放送した。これは、歴史上の重大な出来事について、史実とは異なる結果となる可能性をドラマ仕立てで展開し、歴史家がそれを解説するというものだった。例えば、南北戦争の結果が違っていたら、アレクサンドロス大王が長生きしていたら、ジェームズ・ウルフが長生きしていたら、ユリウス・カエサルが暗殺されなかったら、アーロン・バーの決闘が逆の結果だったら、などのエピソードがあった。

映画
歴史改変を扱った映画もいくつかある。ケヴィン・ブラウンローの It Happened Here(1966年)は、ナチスに占領されたイギリスを描いた作品である。HBOのテレビ映画 Fatherland(1994年)は、第二次世界大戦でドイツが勝利し、イギリスまで占領されている1960年代の世界を描いている。韓国映画の『ロスト・メモリーズ』(2002年)は、伊藤博文が安重根に暗殺されなかった世界を描いている。Timequest(2002年)は、タイムトラベラーがジョン・F・ケネディ暗殺を阻止し、歴史を変えてしまう話である。C.S.A.: The Confederate States of America(2004年)は、イギリス制作のドキュメンタリーという形式で、南北戦争に南軍が勝った世界を風刺的に描いている。日本映画では、1979年の『戦国自衛隊』、2007年の『バブルへGO!! タイムマシンはドラム式』がある。

歴史上の重大事件とは無関係に、より個人的なパラレルワールドや歴史改変を描いた映画もある。例えば、フランク・キャプラの『素晴らしき哉、人生!』、バック・トゥ・ザ・フューチャー・トリロジー、Blind Chance、『スライディング・ドア』、『ラン・ローラ・ラン』、Me Myself I、『バタフライ・エフェクト』、『オーロラの彼方へ』などがある。日本映画では、1983年の『時をかける少女』がある。

テレビ
テレビ番組にも歴史改変のコンセプトを使ったものがある。SFテレビ番組 Sliders は、量子力学的多元宇宙論に基づいた歴史改変ものになっている。そこに登場するパラレルワールドはディストピアであることが多い。

歴史改変がテーマではない番組でも、歴史改変のコンセプトを使う場合がある。スタートレックでも何度か使っている。『宇宙大作戦』(TOS)の「危険な過去への旅」、『まんが宇宙大作戦』の「タイム・トラベルの驚異」、『新スタートレック』の「亡霊戦艦エンタープライズ'C'」などがある。映画版第8作の『スタートレック ファーストコンタクト』では歴史改変を防ぐことが主題となっている。また、「イオン嵐の恐怖」(TOS)に出てくる世界は単なるパラレルワールドだったが、その後のスピンオフシリーズ(『スタートレック:ディープ・スペース・ナイン』、『スタートレック:エンタープライズ』)のエピソードにも平和的な惑星連邦とは全く性質の異なる暴虐的な地球帝国(テラン帝国)が成立している鏡像宇宙という設定で登場し、歴史改変SF的要素が加わっていった。イギリスのテレビ番組『ドクター・フー』にも歴史改変SF的なエピソードがある。ヒロインのローズ・タイラーの父ピート・タイラーが生きて富豪になっている世界がそれである(元の世界ではローズが赤ん坊の頃に死んでいる)。この世界は第2シーズン最終回あたりでも登場している。第4シリーズの11話 Turn Left では、ドクターが殺されている世界が登場する。『ファミリー・ガイ』のあるエピソードでは、過去にタイムトラベルして歴史を変えてしまう話がある。『トワイライト・ゾーン』のエピソード "The Parallel" では、宇宙飛行士が全く違う歴史のパラレルワールドに行く。

『ジパング』(同名の漫画が原作)では、海上自衛隊の最新イージス艦が1942年のミッドウェー海戦の時代にタイムスリップする。結果として第二次世界大戦の情勢を変えてしまい、歴史を変えてしまう。

ロールプレイングゲーム
テーブルトークRPGには歴史改変を扱った作品が多い。特に「ガープス」の第4版ではデフォルト設定に複数の時間線を含んでいる。

コンピュータゲーム
コンピュータゲームにも歴史改変を扱ったものは多い。特にパソコン版ゲームの場合、あらかじめゲームメーカーが用意したシナリオだけでなく、公式ツールやMOD、その他のツールによりユーザー側でシナリオを作成・改変することも可能になっているためこれを用いて歴史改変シナリオが独自に作られることもある。

『コマンド&コンカー レッドアラート』は、アルベルト・アインシュタインが第二次世界大戦を防ぐためにヒトラーの存在を消すという設定である。その結果、ヨシフ・スターリン率いるソビエト連邦の力が強まり、ヨーロッパへ侵攻を開始する。

『Crimson Skies』は、1つの歴史改変の設定を様々なジャンルに展開している例である。1930年代のアメリカ合衆国が、世界恐慌、第一次世界大戦、禁酒法などの影響で敵対する複数の国家に分裂している世界である。国家間の道路や鉄道は破壊されている。戦闘機部隊に護衛された大型硬式飛行船が、ハイジャックや敵国の標的にされている。この世界設定に基づいたボードゲームやパソコンやXbox向けのコンピュータゲーム、小説、コミックなどが発売されている。

『フリーダム・ファイターズ』では、第二次世界大戦中にソビエト連邦が先に原爆を開発した世界を設定している。それによって真っ先にベルリンが攻撃された。そのため、ソ連の発言力が強まり、その後の歴史はソ連主導で展開していく。1953年にはヨーロッパ全土がソ連に吸収された。ゲームの舞台はニューヨークで、アメリカ合衆国に侵攻しようとするソ連と戦う。

『World in Conflict』は、ソビエト連邦が崩壊し始めていた1989年、ワルシャワ条約機構が西側へ侵攻を開始するという設定である。2008年2月にリリースされた『Turning Point: Fall of Liberty』では、それまでとは異なり、ウィンストン・チャーチルが1931年に死亡し、第二次世界大戦に枢軸国が勝利した設定である。War Front: Turning Point も別の設定で、ヒトラーが早めに死亡し、ナチスの指揮系統が効率化されたためにアシカ作戦が成功し、イギリスが占領される。

他にもプレイステーション3用のゲーム『RESISTANCE 人類没落の日』も歴史改変の要素がある(第二次世界大戦が起きなかったという設定)。

日本製のゲームにも歴史改変を扱ったものは多い。システムソフト・アルファー(旧・システムソフト)の『大戦略シリーズ』には近隣諸国が日本への侵攻を開始したという設定のシナリオがほぼ毎回搭載されている。またコーエーの信長の野望シリーズ、三國志シリーズ、太閤立志伝シリーズをはじめとした作品にも歴史改変要素のあるシナリオが存在する。

コミック
コミックや漫画にも歴史改変SFが存在する。Captain Confederacy はアメリカ連合国が独立し、プロパガンダ目的でキャプテン・アメリカのようなスーパーヒーローを作る話である。

アラン・ムーアの1986年のコミックシリーズ『ウォッチメン』はスーパーヒーローのいるもう1つのアメリカが舞台だが、歴史改変の要素はそれだけではなく、ベトナム戦争はアメリカが勝利しているし、リチャード・ニクソンは任期を全うしたという設定になっている。Warren Ellis の2001年の Ministry of Space では、アメリカやソ連に先駆けてイギリスがドイツのロケット技術を獲得した世界の話である。

DCコミックでは、本筋とは異なるシリーズを歴史改変的な扱いにしており、従来は "Imaginary Tales" と呼んでいた。そして1989年、Batman: Gotham by Gaslight から新たなインプリント Elseworld を立ち上げた。マーベルコミックでは同様の形式のものを What If...? シリーズと呼んでいる。このシリーズのコミックは1巻ものが多く、メインシリーズとはつながりがない。

歴史改変SFの境界線
小説の中には歴史改変SFのようにも読めるが、そのように意図して書かれたわけではないものがある。例えば、ロバート・A・ハインラインの「月を売った男」(1949年)である。この小説では、人類初の月到達は1960年代に政府ではなく個人企業が行ったことになっている。最近の読者がこれを読むと、史実と異なるから歴史改変SFだと思うかもしれない。しかし、書かれた当時は20年ほど未来のことを書いていたのである。したがって「月を売った男」は古くなったSFであって、歴史改変SFではない。似たような例として『2001年宇宙の旅』の小説版や『1984年』などがある。どちらも書かれた当時は未来のことを書いたものだが、現在から見れば過去の時点を描いている。

歴史改変SFと古びてしまった未来史の根本的違いは、作者が真の歴史がどうなっているかを知った上で書いているか否かである。後者は、作者が完全に想像して書いている。例えばH・G・ウェルズの "The Shape of Things to Come" (1933年)は、ドイツがヴェルサイユ条約に縛られ、アドルフ・ヒトラーが台頭してきたころに書かれた。その中では、ポーランドとドイツが10年間戦い、明確な決着がつかないとされている。同じ話を現代の作家が書くなら、既にドイツ国防軍がポーランドを迅速に圧倒した事実を知っているので、なぜポーランドがそれほど強いのかを詳しく説明しなければ読者を納得させられないだろう。

また、歴史改変SFは秘史や歴史修正主義とは異なる。これらは、実際の歴史に一般的に知られているものとは異なる解釈や秘密を与えるものである。例えば、様々な事件の背後にイルミナティやフリーメイソンや地球外生命が暗躍していた、という小説は秘史に分類される。中には、歴史改変と秘史を1つにした作品もある。例えば、ロバート・シェクリイの "Dukakis and the Aliens" では、1988年の大統領選でマイケル・デュカキスがジョージ・H・W・ブッシュに勝ち、エリア51にあるUFO基地にいる彼の主人に会いに行くという話である[14]。

歴史改変SFは、失われた歴史といった設定のファンタジーとも異なる。それは例えば、古代に文明が栄えていたが、忘れ去られてしまったというような設定である。例えば、ロバート・ハワードやJ・R・R・トールキンの諸作品がある。

歴史改変SF以外にも、意思決定による分岐を扱う小説は存在する。例えばマージ・ピアシーの『時を飛翔する女』(1976年)がある。精神病院に入れられた主人公の女性は、2種類の未来社会を見ることができる。1つはフェミニズム的な理想社会で、もう1つはファシズムの支配するディストピアである。彼女の脳に施される手術によってどちらの未来が勝つかが決まる。タイムトラベルの要素があり、並行時間の要素があり、妄想的現実を描いているようでもあるが、意思決定による分岐が現在行われるものという点で歴史改変SFとは呼べない。

歴史改変SFと若干似たジャンルとして英語で invasion literature と呼ばれるジャンルがある(直訳すると「侵略文学」)。これは、大衆が不安に感じている近未来の悪い予測に基づいた小説などを指す(ヴィタ・サックヴィル=ウェストはこれを "cautionary tale" と呼んだ)。例えば、1870年代ごろから、イギリスではドイツやフランスが侵略してくるという話が多数書かれた。世界恐慌の際には、シンクレア・ルイスがファシストがアメリカ合衆国を乗っ取るという It Can't Happen Here(1935年)を書いた。第二次世界大戦初期に Sackville-West が書いた Grand Canyon(1942年)は、ドイツが国防の備えのないアメリカ本土を急襲する話である。これらの小説はごく近い未来を描いているため、古くなった未来史と同じように、後世の人が読むと歴史改変SFのように読める。

戦後の日本では、第二次世界大戦を扱うことに特化した架空戦記というサブジャンルが独自の発展を遂げた。特にSF志向ではない(SF的小道具やSF的プロットが使用されない)作品も多い。

歴史改変の手段としてのタイムトラベル

この時期にはタイムトラベル小説として、L・スプレイグ・ディ=キャンプの『闇よ落ちるなかれ』が書かれている。これはマーク・トウェインの『アーサー王宮廷のコネチカット・ヤンキー』と似ており、アメリカ人の学者がベリサリウス率いる東ローマ帝国軍に侵攻されつつあるイタリアの東ゴート王国に行くという話である。この作品では、タイムトラベルした主人公が歴史改変を招く。しかもこの主人公は積極的に歴史を変えようとする(それに対してトウェインの主人公は歴史改変に失敗する)。
ダイバ いそべ シーアル ミュート メドレー チェンジ プロミ らんぶー キンシ トラッ ライター リモート サモエー セーブル マットレス ピナツボ ママ 大莢種 ゾーン デーモン ラミネート かむかむ ユー わらび リュージュ ネーション ターバン プリス ザック ドラドン リロート かみのく トーク フェナ メンター マトン ステビア リペア スナップ ツイスト ズー シング おにぎり デタント ほくとし ファイ マダム セオリ フィット マガダ

歴史の分岐(あるいは改変)原因としてのタイムトラベルは、その後もよく使われる設定となった。Ward Moore の Bring the Jubilee では、南北戦争で南軍が勝った世界に住む主人公がタイムトラベルし、ゲティスバーグの戦いで北軍を勝利に導く。

タイムトラベルによる歴史改変によって単に歴史が分岐するのではなく、完全に未来が置き換わるという設定の場合、未来の文明が歴史改変によって失われるのを防ぐ機関のような設定がよく使われる。例えば、ポール・アンダースンのタイムパトロールものが有名である。

タイムパトロールは深刻な道徳的ジレンマを生じる。アンダースンの短編「滅ぼさるべきもの」の中で、不法時間旅行者の影響によって第二次ポエニ戦争にカルタゴが勝ち、ローマが破壊されてしまう。結果として20世紀は全くことなる様相となる。「いいとか悪いとかではなく、単に全く違う」。主人公であるパトロールエージェントはその時代に戻り、無法者と戦い、歴史を元に戻す。しかし、それによって実在していた歴史全体が再び完全に破壊されるという代償を払わなければならない。何十億もの生命と別の何十億もの生命を主人公1人が秤にかけてどちらを取るかを決めなければならない。

タイムトラベルを扱った小説が、全て歴史改変SFというわけではない。改変される可能性を無視する場合もあるし、因果効果によって時間旅行者の行動の結果として彼の覚えている未来も同時に変わるという設定もある(例えば、ハリイ・ハリスンの『テクニカラー・タイムマシン』)。同様のアプローチの例としてマイケル・ムアコックの『この人を見よ』では、主人公が紀元28年の聖地にキリストに会いに行くが、結局自分が記憶している通りにキリストを演じることになる。

パラレルワールド
H・G・ウェルズのパラレルワールド/多元宇宙(上述)からの派生としては、ディ・キャンプの1940年の短編 "The Wheels of If"(「アンノウン」誌、1940年10月)がある。この中で主人公は元の世界から次々と別の世界に移っていき、徐々に元の世界とはかけ離れた世界へと進んでいく。このサブジャンルは、歴史上の事件の結果が違っていたらという準学究的な観点を持ち込まずに別の世界を創造する目的で早くから使われた。フレドリック・ブラウンの『発狂した宇宙』(1949年)は、SF雑誌やその若い読者への風刺としてこの設定を使ったものである。クリフォード・D・シマックの Ring Around the Sun(1953年)では、主人公は人類がいないパラレルワールドの地球に到達し、そこにミュータントの一団の植民地を発見する。これは、マッカーシズムと冷戦への作者の懸念を表した作品である。

並行時間パトロールの登場
1940年代末から1950年代には、H・ビーム・パイパー、サム・マーウィン・ジュニア、アンドレ・ノートンといった作家がパラレルワールドを舞台としたスリラー小説を書いている。様々な歴史の世界が並存し、それらの間を何らかの技術で行き来する。彼らによって、時空を行き来する技術を持たない世界を秘密裏に利用したり保護したりする帝国が存在するという設定が作られ、それらの世界にジェームズ・ボンド的な秘密諜報員が派遣されているという設定ができた。これをパイパーは並行時間(para-time)パトロールと呼んだ。

このコンセプトは1つの小説に複数の歴史をごった煮のように詰め込むことができ、主人公は悪人に追われて世界から世界へ逃げたり(逆に悪人を追う場合もある)、並行時間警察に追われたりといったストーリーが展開する。

並行時間テーマで警察が出てこない場合もある。ポール・アンダースンは、時空の狭間にある Old Phoenix という居酒屋を創造した。その居酒屋には、アンダースンの様々な作品の登場人物がやってくる。この場合、歴史の共通部分やそれぞれの分岐点は不明確であり、作者がそれについて十分な情報を提供することはない。

並行時間スリラーは後年になって量子力学のエヴェレットの多世界解釈(1957年)で世界の差異を説明することが多くなった。ある作者は世界の分岐は人間の自由意志と意思決定によるとし、別の作者はカオス理論のバタフライ効果を援用して原子などのランダムな差異が増幅されてマクロ的な発散となって歴史の差異が生じるとした。どちらにしてもSF作家は一般に特定の歴史上の出来事から発散が生じるとすることが多い(この時点を POD、Point of Divergence と呼ぶ)。エヴェレット以前、SF作家が並行時間旅行を説明する際には、ピョートル・ウスペンスキーの思想や高次元を持ち出していた。

歴史改変がパラレルワールドで説明される一方で、多世界理論は無限に連なる並行世界へと発展していく。量子力学では、あらゆる量子事象で世界が分岐するとされ、作家が人間の意思決定が分岐を生むと設定したとしても、あらゆる意思決定で異なる時間線に分岐を生じることになる。作家の考えた空想上のパラレルワールドでは想像の範囲外の選択は考慮しないことがある。テリー・プラチェットの Night Watch では、主人公に対して、起きうることは全て起きたが、主人公が妻を殺した世界だけは存在しないと告げる人物が登場する。あらゆる選択肢について世界が分岐するとしたら、主人公は単に幸運な分岐を選んで描かれているだけということになり、勇敢さも知恵も意味が無くなる。この考え方を採用した作家もいるが、ラリー・ニーヴンの「時は分かれて果てもなく」では、そのような無限の分岐が現実となっている世界で自殺や殺人が横行する様を描いている。

たとえ全ての選択で世界が分岐するとしても、勇敢さや知恵がそれらの世界の分布に影響を与えるという議論は可能である(それぞれの種類の世界が無数にあるとしても、無限集合の度合いを測ることはできる)。物理学者デイヴィッド・ドイッチュは量子力学の多世界解釈を強力に支持しているが、これについて「正しい選択をすることで我々は妥当な生活を送っている宇宙のスタックを集中させることができる。あなたが成功すると、あなたと同じ選択をした全てのコピーも成功する。あなたがよい選択をすれば、多元宇宙でよい選択がなされる部分が増大する」と述べている[10]。この見方はSF小説で描くにはあまりにも抽象的すぎるが、それを試みた作家もいる。例としてグレッグ・イーガンの短編「無限の暗殺者」がある。

多くの作家はこのような議論を避けている。H・ビーム・パイパーの『異世界の帝王』では、火薬の製法を知っているペンシルバニアの警官が火薬の製法が秘密にされている世界に転送され、隣国に征服されようとしている国を救う。並行時間パトロールはその征服は成功することになっていると警告するが、この本ではその国が救われた時間線だけを描き、征服によって虐殺が起きた時間線を描くことはしない。

並行時間テーマは1960年代になってキース・ローマーの『多元宇宙の帝国』から始まるシリーズで発展した。パイパーの方向性は政治的により洗練した形でマイケル・カートランド(Michael Kurkland)やジャック・チョーカー(Jack Chalker)に受け継がれた(1980年代)。また、パイパーのような並行時間帝国の設定を用いた作品を10代の読者向けに書いたのがハリイ・タートルダヴである。

並行時間における世界戦争(並行時間帝国同士の戦争)というコンセプトは、フリッツ・ライバーがヒューゴー賞を受賞した『ビッグ・タイム』(1958年)から始まるシリーズ(Change War)から発展した。その後1970年代には Richard C. Meredith の Timeliner 三部作、1980年代には マイクル・マッコーラムの『時空監視官出動!』、1990年代には John Barnes の Timeline Wars 三部作が登場した。

並行時間ものの中には、世界によって物理法則が異なるという設定のものもあり、ファンタジーによく見られる。アーロン・オールストンの Doc Sidhe と Sidhe Devil が例として挙げられる。この場合は異世界にもテクノロジーが存在するが、異世界がよりファンタジー的であるほど、その作品もファンタジーに分類される傾向がある。

SFにもファンタジーにも、そのパラレルワールドが歴史の分岐したものなのか不明確な作品がある。分岐点の存在をほのめかすだけの作品もあれば、全く説明なくパラレルワールドを登場させる作品もある。

歴史改変SFを発展させた主な作家
フィリップ・K・ディックの『高い城の男』(1962年)は、ナチス・ドイツと大日本帝国が第二次世界大戦に勝利した世界を描いている。ディックの作品の中でも特に高く評価されており、歴史改変SFを主流文学にまで高めたと言われている。また、この作品ではナチスと日本の負けた世界を描いた本の作者が登場し、一種の入れ子構造になっている。

続いて、ウラジミール・ナボコフの『アーダ』(1969年)は、帝政ロシアが北米の一部を支配する世界を描き、その中で主人公は我々の世界と思われる逆地球の噂に苦しめられる(ディックの入れ子構造を借用したと言われている)。一部批評家は、『アーダ』における逆地球の存在が、描かれている世界が主人公の幻覚であることを示唆しているという(これもディックに良く見られるテーマである)。

アイザック・アシモフの短編「もし万一…」(1952年)は、テレビのような装置を使って別の現実を調べる話である。同様のアイデアは1955年の長編『永遠の終り』にも登場する。この作品では、「永遠」は世界の現実を人々に気づかれずに改変できる。

フィリップ・ロスの The Plot Against America(2004年)では、フランクリン・ルーズベルトが1940年の3度目の大統領選に負け、チャールズ・リンドバーグが大統領となり、アメリカでのファシズムと反ユダヤ主義が高まる。

ダレン・シャンのダレン・シャンシリーズでは、12巻目でこのテーマについて言及している。すなわち、時を遡ってアドルフ・ヒトラーを殺害したとしても、別の誰かがその役を果たすとし、歴史は変えられないと主張する。同様の主張はドイツ人作家 Carl Amery の Das Königsprojekt (The Royal Project)にもある[